独りの正教徒が感じたこと

迷える子羊達へ

若い女子プロレスラーの自殺について

1人の女の子(享年22才)が自殺した事件について述べます。
テラスハウス」という番組(フジテレビ)に出演し、怒りを爆発させた女子プロレスラーにネット(SNS)の中傷が集中し、彼女は自殺に追い込まれました。
この番組は、男女3人をシェアハウスに住まわせ、恋愛を前提にしたリアルショーで、何か問題が起これば、コメンテーター達が面白おかしく批判する番組でした。
私は、彼女が自殺後にこの番組のいくつかを見て、率直に気付いた点を挙げます。
①6人は、全員、友人ではなく、お互いを見て良い点と悪い点のあら探しに集中していると思いました。それを番組の編集者やコメンテーターが見る人達が面白く感じるようにデフォルメしたものであると思いました。
②出演者は、皆ストレスをためていき、女子プロレスラーの女の子に「じゃあ、お前はどうなんだよ?」と言うようなトラップ(罠)を仕掛けたように見え、彼女が一連の出来事の中に悪意のある善意を感じて、「なめんな、コノヤロー」と激怒したと思います。(それまでみんなとあまりうまくいっていなかった)
③他の出演者が彼女を裁いた。特に男の子たちは、あまり良い印象をもってなく、「お前は、その程度の残念などうしようもない人間だということを自覚しろ!」と言っているように見えました。
コロナウイルスでいつプロレスの試合ができるか、お客さんが今まで通り入ってくれるか分からない状態で、ネットの批判をすべて彼女が飲み込んでしまい、自殺しました。背負っているものが大き過ぎたと感じたのでしょうか?
⑤番組編集者、他の出演者、コメンテーター、番組を見た者達が、すべて彼女を裁いた。現実世界は、プロレスとは違うぞと言わんばかりに!

イエス・キリストの逸話に、以下のような記載があります。

姦通の現場を抑えられた女が大衆にさらされ、石打の刑にあう修羅場に、イエスが出くわした。
エスは、いたたまれない思いで彼女のそばに寄り添い、地面に何かを描いた。人々の注目は、女から地面に注意が移り、怒りが少しおさまった。そして、女のそばにしゃがんですわっていた男(イエス)が、いたたまれない思いを胸に、立ち上がって言った。「みんなの中で罪をおかしたことのないものから、この女に石を投げつけ、傷を負わせよ!」
正義感に酔っていた男達は、その場から1人、2人と去っていき、誰もいなくなった。
エスが来なければ、集まった人々は正義感から、女の顔に大きな石を投げつけ、女が顔から大量の血を流すのを見て、「お前は、その程度の残念などうしようもない人間だということを自覚しろ!」と叫んだのだろうか。

善悪を問題にしているのではない。
彼女を死に追いやったすべての関係者に言いたい。

「お前は、その程度の残念などうしようもない人間だということを自覚しろ!」

イエス・キリストの逸話は、人を裁くなということを言ってるので、善悪の区別を曖昧にすることでは決してありません。

「人を裁くな」の意味は、「神の独り子イエス・キリストが、すべての人を愛を持って救済します」と言うことと同じです。

今回、非常に残念な思いをしたので書きました。

以上